大谷繞石は、大正13年に旧制広島高等学校教授として赴任し、昭和8年に亡くなるまで、広島にいました(昭和7年退官)。教授としての職務や小泉八雲作品の翻訳などに力を入れましたが、そのほかに俳人として多くの業績をあげました。
今回、「掘り起こす広島の文芸-大正デモクラシーから終戦までー」という冊子を改めて読んでみました。その中の俳句の章で、広島における俳人としての繞石について既に多くの調査研究のなされていることを知りました(飯野幸雄さんの記述)。おそらくこの記述が本格的な調査・研究の初めではないかと思います。この冊子は、2009年の4月に広島市文化協会文芸部会(山田夏樹さんが部会長のとき)が発行したものですが、2007年に広島市立中央図書館で開催された同名の企画展をまとめたものです。俳句の章は19ページありますが、実に6ページ近くが繞石について述べられています。俳句に関する記述が主ですが、中には漱石との関係に触れたところもあります。
私どもも、こうした諸先輩の成果に学びながら、整理していきたいと思っています。
大谷繞石については、広島市立中央図書館で多くの資料を教示いただいています。これからも関係の皆さんのご協力をいただきたく、情報の提供等お待ちしています。(松本洋二・記)