「第1回夏目漱石のつどい-講演と朗読-」②

 去る11月29日(日)広島市立中央図書館で、第1回夏目漱石のつどいを開催しました。50名定員の予定でしたが、多くの方から申込をいただき、結局74名の参加で行いました。①で写真を何枚か掲げていますのでご覧ください。(①の写真は、上段左から、会場風景、山本一隆会長挨拶、瀬崎圭二さん講演、下段左から花井隆爾さん報告、冨沢佐一さん報告、阿部律子さん朗読です。)

 山本一隆会長の挨拶に続き、瀬崎圭二さんの講演「夏目漱石と井原市次郎」がありました。明治42年に漱石が広島に立ち寄ったときに訪ねたのが井原市次郎です。具体的な調査に基づいたお話で、新たな人物関係がわかり、大変興味深い講演でした。講演の要旨は1月に発行する会報2号で紹介します。

 次に、花井隆爾さんから「全国の組織、広島ゆかりの人物、漱石と茶道」について、冨沢佐一さんから「中村是公・新原敏三・弘中又一について」の報告がありました。花井さんの調査している漱石と茶道の関係は新たな視点を多く含んでいるもので、今後の展開が楽しみです。花井さんは、漱石の観点で、お茶席を試みています。冨沢さんの話の中に出た新原敏三は芥川龍之介の父親で、漱石を軸に広島近辺に多くの調査対象のあることがわかりました。冨沢さんの報告は、会報2号に掲載します。

 最後に、阿部律子さんの朗読『吾輩は猫である』を聴きました。原作から興味深いところを抜粋しての朗読でしたが、徐々に『猫』の世界に引き込まれ、最後に「吾輩」が往生する場面での「南無阿弥陀仏」で最高潮に達しました。感動的な朗読でした。作品を目で読むのも良い点がたくさんありますが、朗読を聴くのはまたすばらしい面があると改めて実感しました。

 次回は、2月6日(土)午後2時から、広島市立中央図書館で開きます。「鈴木三重吉赤い鳥の会」の長﨑昭憲会長の講演そのほかを予定しています。どうぞお誘い合わせの上お越しください。申込等については、またこのウェブサイトやチラシでお知らせします。(会員にはハガキでお知らせします。)                                    (松本洋二・記)